新人賞応募に際しての独自の世界観の有益性

独自の世界観は評価されるのか?

これは結論から言って評価されます。よほど変な世界観でさえなければ、よそにない自分独特の物を作品に織り込めば点数つけてくれるところがほとんどだと思います。

問題になるのはその独自世界観を表現した場合の代償だと私は考えます。

既存の世界観ですと詳しい説明をすることなしに読者に理解してもらえます。

ライトノベルの場合でしたら、現代の中学校・高等学校を舞台にすれば特に何の説明もいらないはずです。読者を中高生としてターゲットにしているので中学校や高等学校に通っている、もしくは通ったことがあるからです。

まあ独自設定さえ持ち出さなければの話ですが。

ファンタジーも最近市民権得てますよね。

ドラゴンとかエルフとかもう説明不要で名前だしても問題ないレベルで作者と読者の間に共通意識が形成されていると思うのですよ。

そんな感じで共通意識が多い作品ですとだいぶ説明を端折っても通じると思います。共通意識では補いきれないなって設定だけを小説のなかできちんと説明していけばいいわけですもんね。

二次創作を執筆することが一次創作のそれに比べてハードルが低いのはこの共通意識の量によるものでしょう。

世界観とか登場人物とかオリジナルの作品でしっかり説明されているわけですからね。

二次創作ではそのあたりの説明を一切省けるのが、小説を書くことになれてない方でも参入しやすい理由になっていると思います。

夢小説もそんな感じですよね。

共通意識と言えば最近流行の異世界転生ものには大きな『お約束』がありますよね?

死んだら現代の記憶を持ってチートもらって異世界に転生する

っての。

もちろん各作品でアレンジしてますけど、そこは冒頭できっちり読者に説明してますでしょ。

あの『お約束』は物語の導入をかなり楽にしていますよね。

主人公が現世と異世界を比較してくれるのも説明と理解がスムーズに進みます。読みやすいし書きやすいしで人気ジャンルとして確立していったのはとてもわかります。

私も書いてみたいなとも思うのですが、どうも自分の作風に向いていない気がして二の足を踏んでいます。まあ機会があればと言うことで。

世界観の説明

作品で展開する世界観が独自であればあるほどその説明が長くなってしまいます。

私は○○パンクみたいな感じで、我々が経験したorこれから先経験するであろう科学的発展社会とはちょっとずれた世界観がすごく好きなのです。

で、○○がサイバーだとかスチームだとかはなんかありふれている気がするのでそこを独自な物につくりかえてしまいます。

前作ではバードパンク? 前々作ではディメンジョンパンク?

どう呼称していいのかよくわかりませんがそんな感じです。

今回書こうと思ってるのはポセッストパンク??

いや伝奇でいいでしょう。

と言うか伝奇の定義は唐宋時代に書かれた短編小説のことらしいですね。

正しくはそうなのでしょうけれども、なんか日本を舞台にした非日常的な伝承とか出てきたらもう伝奇って言ってしまっていいのではないでしょうか?

確か今作では私ジャンルは伝奇ラブコメって言い張るつもりで構想を練り始めました。

伝奇要素は大丈夫。ばっちりあります。ラブコメ要素がどんどん減っていってしまい、やっぱり私には苦手分野なのかなぁと少々諦めモードに入っていますけどね。

脱線しましたけれども独自の世界観を作品の中に織り込むと、他のものを圧縮してしまいます。

延々と説明すると小説らしさが消えてしまいますので、地の文で説明していくにせよ程々に納めなければなりません。

具体例を出して描写していったり、登場人物にしゃべらせて読者に臨場体験とかしてもらおうとすると、そこそこのページ数が必要となってきます。

新人賞応募の場合はページ数決まっていますから、世界観に使った分は他の分を削減しなければなりません。

私が前回応募した原稿の最大の失敗点は、世界観を独特すぎるものにしたために、その説明にページ数をとられてしまったことだと自分自身認識しております。

帰ってきた評価シート見たらそれよりも大事なことができていなかったみたいですけどね。

バランス

と言うわけで世界観を独自なものにするときは暴走せずにある程度加減すべきだとの結論に私は達しました。

すっごいの考えたところで限りある紙面では説明に終始してしまいます。

読者は世界観に浸るだけで満足するのか?

多分違うでしょうね。やっぱり世界観はバックグラウンドです。

漫画で言うところの背景です。

読者が楽しむのは登場人物の動向でしょ。

背景が綺麗だとある程度の評価はされるかも知れませんが、逆を言えばその程度の物なのですわ。

既存の世界観をベースに独自設定をスパイスのように混ぜ込むのが多分よいのでしょう。

なので今回の応募作品はそのあたりをうまく調節していきたいと考えております。

最後に

現代ラブコメものとか世界観が独自設定皆無なものでもちゃんと受賞しますからね。

必ずしも世界観が独自である必要性はないのです。

と身も蓋もない言い方をしますが、結局のところその作品で何をしたいか、何を読者に感じ取ってもらいたいかを実践する上において――その結果に必要な小道具として独自な世界観を使用するスタンスで臨むのが多分いいと思います。

世界観は主役ではなく小道具と割り切れば、自ずと書き方もみえてくるでしょう。

せっかく細かいところまで一生懸命考えてもね。だめですよ。諦めなきゃ。

2019年5月21日新人賞応募

Posted by hokuto