青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

 しかし、かつるの思惑は大きく外れ、ふたりはちとせが敷いた防衛線をまったく突破することができなかった。
 正面からはヤマゲラたちがくちばしでカタカタカタカタ光角粒を予断なく打ち出しているので、おいそれとは近づけない。回り込もう ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

「ごめちゃんはどうなの?」
「かごめさんも警戒対象に入っているの」ちとせは熟考してリカバリーを試みる。「と言うのは嘘よ。ほら、先週からエイプリールフールでしょ。今日までの嘘はおっけー」
 照れながら両手で小さく丸を作っ ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

 舞湖は周囲十キロメートルほどの湖で、三百年前には透明度が三百メートルに達するほどの綺麗な水を保有し、豊かなプランクトンに魚たち、そして様々な鳥たちの集まる楽園だった。
 それが減光期の到来により終わりを告げる。光断片化した光 ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

 せせりは大きく伸びをして、深呼吸した。
「中緯度での研究は大事ですが、それはこの一色光町でなくてもよかった訳ですからね。それを母が指定したのはきっとわたしを真実に触れさせ、後は自分で考えてみろってことなんだと思います。母が決 ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

「ちょ、かごめ見えるようになったのか。なんで言ってくれないんだよ」
「そうだよ、ごめちゃんってば水くさいし」
 見せた対象であるせせりよりも、かつるとみちるがこれに驚いた。かごめはかつるにおかしくないかどうかを確認し、 ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

「まず人類にとって身近な鳥類の場合、幼いときに生活を同じくしていた存在を性的に成熟した段階でのパートナーとして選ぶことが知られています。ですから鳥類の場合は兄妹で結婚することはごくごく普通の事象となります。人類の場合はちょっと特殊でし ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

「やっぱりするの? 兄さん」みちるの瞳は困惑の色で塗り固められている。「さっきは雰囲気に流されて了承しちゃったけどさ。本当にするつもりなの?」
「ああ、蒼い鳥で完成だからな。三つの宝。さっきも言っただろ」かつるは極めて平坦な声 ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

 目的地点の池は池にしてはかなり大きく湖に近い大きさだった。透明度も抜群に高い。五メートルくらいはゆうにあるだろう。水中の紅い睡蓮の花がどこにあるのかは雁兵のたゆまぬトライアンドエラーの結果、特定することはできた。鳩小屋からは水に強そ ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

「その花飾り、ちょっとけばくない? みっちゃんが付けるとしたらひまわりとかだよね。こうなんかさ。無駄に元気で明るいお花がいいよね。みっちゃんは」
 かごめの焼きそばから玉ねぎのいい匂いがする。
「元々アクセじゃないし。 ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

 軽鴨せせりは打ち合わせ通りにカワラバトの接近に伴い、碧の月が見えるポイントから待避した。そこまでは何の問題もなかったのだが、待避ルート付近にケリの巣があったのがまずかった。通常ならば身にかけたハッカの匂いの香水や、髪飾りのダブル三重 ...

青方偏移の三宝鳥 -strong bond between brother and sisters-

「おーい。せせりー。どこだー」
 かつるは叫びながら茂みが続く径を駈けぬける。鳥アレルギーとはかなりやっかいなものなんだなと、彼はそれまで抱いていた楽観的な認識を改めていた。今回のケースでは鳥笛で近くの鳥を呼んで探して貰うこと ...