進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

投稿時は文字数の関係で書けなかった後日談です

送信者:スズキトウヒ/送信日:六月二十一日(月)午前十一時十一分/内容:整備マニュアルQ&Aありがとう。すごくまとまってて助かった。あと、よくわかんないのは五次元バイパスして六 ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「にいさま、お待たせ致しました。運命は正しき標に流れたり」
 トウヒの目の前に忽然と現れたシャコが、平静を装って参上のあいさつをした。
 濡れたキャミソールがいかにも寒そうで、黙って見ているには忍びない。トウヒは舞に使 ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「いまが一大事ってわけ?」
「はい。ユウさんにとっては、はなはだ遺憾でしょうが」
「そっかあ、嫌われたなあ。ところで、そのキュウニィはね。トウヒくんの私物じゃなくって、うちの事務所の備品なんだけど。知ってる?」

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「こんばんは。実際に会うのは初めましてだね。ヒムロユウです。よろしく」
 挨拶してきたのはノーメイクのオーバーオール姿の中学生だ。どこにでも居そうな格好だが、きっとどこを探しても、これほど人を魅せる雰囲気を持った中学生は居ない ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「それじゃあ一番手は俺で。頑張りますわ」
 最終ステージの競技が始まった。一番槍を志願したケイジロウの挑戦は、残念ながら八歩で終了する。いままでの三人と違って落下音と水しぶきの音は聞こえない。今回の場合は落とし穴と便宜上呼んで ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「泣いても笑ってもこれが最終ステージ。さてさて勝ち残るは誰かなあ? 競技は単純明快っ、落とし穴だよー」
 機械声が響き渡る。ユウの姿を模した四次元映像は、今回は人間らしさを表現することをすっぱり諦めていた。声もさることながら、 ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

 こうして茶番が決定しているカラオケ大会が始まった。
 無駄に凝ったステージにビットレートの高いオケ。観客のモブまで四次元映像でこしらえるだとか、ヒムロユウは度し難い演出過剰路線を突っ走っていく。
 ケイジロウはまだ声 ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「第三ステージはっじっまっりまーす」
 碧色のカエルの着ぐるみ姿のホストは超ハイテンションだ。
「今回は日本人ならみんな大好き。カラオケだよー。ユウの持ち歌のどれかを歌ってね。点数が5点以上なら勝ち抜けで、それ未満だと ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「トリ姉、もうちょい左。ストップ。回頭の調整はこっちでします」
 トウヒは有線コントロールケーブルでキュウニィの角度を調整した。これで階段の狭くなったところも無理なく通過できるだろう。トウヒが合図すると、トリノの手にある遠隔操 ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「最初はお約束のクイズいきまーす」
 ユウの虚像が宣言した。
 テレビのクイズ番組ではごくごく普通に見受けられる解答者の座る席が六個用意されていたので、そこに座ればいいのだろう。トリノもトバコもカバコもシャコもケイジロ ...

進化と次元と禁忌犯しゃ82・6%賭け

「ただいまー。みなさんお待たせだよ」
 開かれた縁側から、懐中電灯を持った制服姿のトリノが姿を現した。居間に集っていた四名の視線が一気に彼女に集中する。照れくさそうに頬をかくと、トリノは靴を脱いで夜風と共に居間にあがってきた。 ...